Art Site Horikawa-I

書くことを積み上げ、アート生成に向けての発想・構想力を鍛える。

個展を開催することに

急な展開なのですが銀座3のギャラリー檜で個展をすることにしました。
会期は2011年3月14日(月)〜3月26日(土)の2週間(日休)です。昨年11月に地元のギャラリー花地蔵での「私の軌跡-1967〜1986」を開催しましたが、その回顧を中心とするコンセプトを基本としながら現在取り組んでいる「雪アート」を紹介することも考え「雪アートの系譜」をサブタイトルとする事にしました。
若干荒っぽいのですが今日、展覧会に向けての覚え書きを書いてみました。
堀川紀夫展「私の軌跡—雪アートの系譜—」覚え書き

堀川紀夫(みちお)は大学4年の1967年10月に新潟現代美術家集団GUNの結成に参加し作家活動を開始する。翌年4月に十日町市に教員として赴任。そこは天下一の大河である信濃川が身近に流れていて、冬は雪深い環境。
そこでの生活2年目の1969年7月に当時の先端美術のアース・ワークとアポロ計画を結びつける啓示を得て、信濃川の石(地球の石)を送るメール・アート「The Shinano River Plan」を開始する。それが美術手帖11月号の李禹煥のデビュー評論の冒頭に作品写真入りで高松次郎の「石と数字」とともに批判的に取り上げられ全国デビューとなる。また、稲憲一郎らと出会い、精神生理学研究所に参加。その活動第一弾で当時のニクソン大統領に石を送り、それが社会面での全国新聞デビューともなる。続く1970年2月にGUNグループの一員として信濃川河川敷の大雪原に巨大な抽象画を描いた「雪のイメージを変えるイベント」に参加。その中で、締め込み姿で雪原に赤い顔料を振りまくパフォーマンスを挙行。その雄姿が芸術生活誌上で紹介されるなどで一時現代美術界での前衛となる。
続く5月には第10回日本国際美術展「人間と物質」(中原佑介コミッショナー)に日本代表の一人として招待され国際的にもデビューする。
その後、スタンプ・アートの「零円切手」を展開するが、美術界の表舞台から陥落。しかし教員生活の傍らで夢を捨てず試行錯誤を続け約10年を経た1980年代に雪に身を投げ出した跡を写真ですくい撮る「Snow Performance」シリーズを見いだし第二弾のヒットを飛ばす。
80年代後半に美術バブル時代が到来し発表の機会が増加。富山県立近代美術館主催の「公募・日本海美術展」への挑戦。新潟市にできた倉庫美術館(清水義晴主宰)での発表。また富山市での「ART FDGE’94」への招待出品などを契機に「レリーフ的絵画」とその延長の「インスタレーション」を展開するもその過程で徐々に「平面絵画」へと接近。1993年には遅まきながら作品集「Snow Performance」を発行。その宣伝効果でNHKの人間マップシリーズに取り上げられ全国放送番組「先生は雪のアーチスト」に出演。また彦坂尚嘉により雑誌アクリラートの対談記事に取り上げられ、その事からNY在住の美術史家富井玲子とのパイプができ視野が広がる。
2000年には越後妻有「大地の芸術祭(北川フラムディレクター)」や新潟市での「アジア現代美術展(谷新コミッショナー)」へ「Snow Performance」で出品。続いて、2001年のTate Modern での世紀の節目をテーマとして「Century City展」東京セクション(富井玲子キューレター)に「石を送るメールアート」で出品する事などの再評価を受ける。これら三つの体験は堀川自身の表現論の組替えを促し、マルチな表現世界へ漕ぎだして行く。
その後、9/11が突発する。その日に富井玲子が撮影して公開したWTCの3枚の写真を手にしてから4年後に「Blue Sky Project国際美術展」を構想。それを5年連続主宰するなどでキューレター的活動を展開。
その他ブログでの発表をコンセプトにした「E-Stamps Series」や野外アートで鏡を空に向ける「Sky Catcher」やDVDアート「Sky Catching」など。
2008年から、大地の芸術祭の冬版の「十日町市中里・雪アート」に3年連続参加。「夢の大ゾリプロジェクト」「雪上絵・大蛇の降臨プロジェクト」「Snow Stampプロジェクト」を新潟ユニットとして推進。
今冬は「十日町市松代・雪アート」に参加。「木馬ゾリプロジェクト」「トボガンボードプロジェクト」「Bird Café Project」「Snow Stampプロジェクト」を展開する予定。
新潟の地に生まれ生活し追求して来た堀川紀夫の作家活動は40年以上に及ぶ。この堀川の表現の中に根源的に流れ、今日に営々とつながる「雪アートの系譜」を紹介します。

(展示予定作品)
1,ポートフォリオ「雪のイメージを変えるイベント」作品集より3〜4点。
2,雪にボディスタンプ「Snow Performance」シリーズ作品で大小10点。
3,十日町市中里雪アート「大ゾリ」「小ゾリ」「Snow Stamp」「雪上絵(2009大蛇の降臨)」
4,十日町市松代雪アート「木馬ゾリ」「Bird Café Project」「Snow Stamp」
5,その他文献、絵はがきの販売など
雪アートの展開「Bird Cafe」です。冬の餌の少ない季節の小鳥達を育て、小鳥達と遊ぶアートです。なんちゃってアートですけど、非芸術を取り込んで新しい分野を切り開いているつもりです。
君臨するヒヨドリが一羽ですが腹一杯になればどこかへ飛んで行きます。人間の強欲とは違います。

このように並んで待っていられるとかわいくなってきます。餌をやる時に話しかけるようにしています。

これは今冬初めての「Snow Performance」です。今年は、素敵,詩的な新作をものにして個展に発表したいと考えています。