Art Site Horikawa-I

書くことを積み上げ、アート生成に向けての発想・構想力を鍛える。

ギャラリー湯山「9つの地平」展−3

「会するオブジェ」の紹介です。
7「一升升(いっしょうます)に紅白チョーク」
今の生活でいわゆる尺間法で升の単位を使うことはお酒を買う時や呑むときくらいです。酒を呑む時は合という単位をよく使います。ウイスキーやビールの時は違った単位を用いていると思います。
私の記憶の中の升はお米の収穫量の計測や長野県からやってくる行商との物々交換の祭に使用する大切な道具。小さい頃に食べる機会の少なかったお菓子や果物などの嬉しかったことの記憶に結びつきます。その記憶を呼び起こすために紅白各9本のチョークとひもを組み合わせています。

8「100円のイーゼルに手作り釘」
この釘を何と呼んだらよいのか?鍛冶屋さんの手作りのものです。長さ10cm程度の鉄の彫刻です。全面が錆びていましたので先端の部分にヤスリをかけ新しい鉄の輝きを見せるようにしています。

9 会場を片付けた最初の日に二階へ上がる階段部の天井にぶら下がっているのをみつけ、とっさにひらめいたのが「Wさん(渡辺姓:泉屋)よ、くしゃみをしてください」というタイトルです。自分の中では「デュシャンに倣う」「デュシャンに学ぶ」というアプローチであることは確かです。タイトルなしで見せたいとも考えました。中に入っているものは9種類です。「甲イカの骨」「温度計」「湯山の家に残されていた包帯」「湯山の家に残されていた杯」「湯山の家に残されていた眼鏡」「9色のチョーク」「サイコロ4個」「40cm物差し」「100円の湿度計」

10 「砂に茶碗」砂は糸魚川海岸で採取してきたもの。「小物の記憶」リスが食べたクルミなど。

11 記憶に引っかったものを並べています。「9個の立方体」「湯山の家に残されていたハンダ小手のピラミッド」「インディアナで買って来たネズミ捕り」「湯山の家に残されていた11と22がプリントされている箱」「白桃ラベルのマッチ」「鍵と鍵」「固定した湯山の家に残されていたバール」「つり下げられた湯山の家に残されていた火箸」「湯山の家に残されていた鍋蓋」「糸魚川海岸で拾った12個の白い石」「湯山の家に残されていた鯨尺の物差し」など。白い石が12という個数の意味は一年や記憶に残る大事件の犠牲者数など色々あります。



「会するオブジェ」の全体的像。展示用の白枠は90cm×90cmです。背景に見えるフレームは2006年の前山忠さんの作品。このギャラリー湯山の常設作品です。

これらの作品を今後のギャラリー湯山での作品発表の源泉にしていきたいと考えています。なお「タコの干物」を買い求めることができたので、13日の会場当番の日に付けたし展示する予定です。
本日はこれにて。