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原発問題(5月18日)

1.asahi.com

使用済み核燃料の原発内貯蔵、首相「知らなかった」
2011年5月17日23時58分

 菅直人首相は17日、志位和夫共産党委員長と首相官邸で会談し、東京電力福島第一原発事故に関連し、多くの使用済み核燃料が同原発の貯蔵プールにたまっていたことについて「実態がああだったとは知らなかった。問題だ」と述べた。

 志位氏によると、首相は「使用済み核燃料を青森県六ケ所村の再処理施設に持っていく(再利用の)サイクルが機能しない状況になっていることは事実だ」とも述べた。核燃料サイクルのあり方を見直す考えを示した発言だ。首相は「自然エネルギーの普及を福島県で大いに進める。開発の予算を福島県につけたい」とも述べた。共産党は、被災者の債務を凍結・免除するなどの提言を首相に手渡した。
2.読売新聞

炉心溶融で冠水断念、循環冷却に…東電新工程表
2011年5月18日00時51分 読売新聞
福島原発
 東京電力は17日、福島第一原子力発電所の事故収束に向け、最近の状況を踏まえて見直した新しい工程表を発表した。


 1か月前に発表した工程表で、遅くとも来年1月までとした安定化の目標時期に変更はないが、1号機のメルトダウン炉心溶融)を受け、「冠水(水棺)」を事実上断念、「循環注水冷却」に切り替える。余震・津波など2分野の対策も新たに盛り込まれた。政府の原子力災害対策本部(本部長・菅首相)も同日、被災者支援の工程表を初めて公表し、海江田経済産業相は「今回の原子力事故による被災者は、国策による被害者」と位置づけ、支援に全力を尽くす考えを強調した。

 東電の新工程表は、これまで「冷却」「放射性物質抑制」「除染・モニタリング」の3分野に分けていた対策に、「余震対策」と作業員の「環境改善」の2分野を加えた。原子炉が完全に冷える「冷温停止」を達成する時期は、前回の工程表と同じく、遅くとも来年1月中旬とした。

 原子炉の冷却については、1号機のメルトダウンが確認され、想定を上回る大量の漏水が見つかったことから、格納容器を水で満たして原子炉を冷やす冠水作業を1〜3号機すべてで当面見送る。代わりに、汚染水を浄化して原子炉に戻す循環注水冷却の準備を優先して進めることにした。
3.産經新聞
福島1号機「優等生返上」2号機「蒸気が障害」3号機「温度不安定」4号機「燃料は健全」
2011.5.18 01:21 (1/2,2/2ページ)
 1〜4号機は、それぞれ損傷の程度が異なり、高い放射線量などに阻まれて現場の状況把握にもばらつきがある。収束に向けた作業は、各号機で異なる問題点と向き合うところから始まることになる。

1号機

 原子炉格納容器の損傷が最も少ない「優等生」(統合本部)とされ、水素爆発防止のための窒素注入や、格納容器を水で満たす「冠水(水棺)」に向けた注水、原子炉建屋への作業員の立ち入りなど、作業が先行して進められてきた。

 ただ、核燃料が溶け落ちる全炉心溶融メルトダウン)を起こしていたことや、格納容器も水位が想定より低いことが判明。対策を根本から見直さざるを得なくなった。

 これまでは、格納容器から水を取り出し空冷するシステムの設置を進めていたが、汚染水の処理をして、原子炉に戻す手法を優先する方針だ。

 また、原子炉建屋内では毎時2千ミリシーベルトの高線量の場所があるなど、厳しい環境が待ちかまえている。

2号機

 格納容器につながる圧力抑制室が損傷し、高濃度の汚染水の漏出源になるなど状況が「最もシビア」(東電)とされる2号機。前回の工程表では圧力抑制室の損傷場所の修復が急務とされ、セメントで損傷をふさぐ方針だった。

 ただ、原子炉建屋内には蒸気が充満しており、内部状況の把握が進んでいないのがネックとなっている。工程表発表後の1カ月で、炉心への注水のほかは、原子炉冷却に向けた作業の大きな進展がない。

3号機

 前回発表された工程表では3カ月後を目標に、窒素注入と冠水を目指すはずだった。ただ、格納容器の圧力は大気圧とほぼ同じで、格納容器に窒素や水を注入したとしても、漏れは確実とみられている。

 また、圧力容器の温度は乱高下しており、計器の信頼性にも疑問符がつく。有効な対策を取るためにも、正確な現状把握に向けた作業が急がれている。原子炉建屋内は瓦礫が散乱しており、ロボットによる作業の支障にもなっている。

 また、3号機取水口付近では高濃度の汚染水が一時海に流出。タービン建屋などの汚染水も濃度が高く、処理を急いでいる。

4号機

 第1原発で最も多くの燃料集合体を保管している4号機の燃料貯蔵プール。プール冷却のため、連日、注水作業が続けられている。引き続き、注水による冷却と、循環冷却装置の復旧が急がれている。

 プールからの燃料の取り出しも検討されているが、当面は冷却を継続する方針だ。

 当初は、プール内の燃料の発熱量が多いため、プール水位の低下と燃料損傷も懸念されたが、プール内の撮影などの調査で「燃料の大部分は健全」(東電)と判明した。

 水素爆発で建屋の壁は大きく壊れており、プール底部に支柱を設置するなど、耐震補強の作業を進める。
4.福島民報より
対応遅れ批判、先送り不満 賠償金仮払い 
 原発事故で被災した中小企業への賠償金仮払い実施に向けた協議会の16日の初会合で、仮払いの道筋が固まった警戒区域内などの事業者からは対応の遅れを批判する声が上がった一方、算定基準に対する要望などが相次いだ。先送りされた形の区域外の企業は、風評被害の実情などを訴え、早期の対応を求めた。

 「遅い。ようやく動きだしたか」。浪江町商工会長の松崎俊憲さん(67)は避難先の栃木県那須塩原市で仮払い協議開始の知らせを聞き、憤った。

 松崎さんは昭和26年創業の老舗印刷会社の会長。昨年12月に数100万円をかけて老朽化した機械を更新した矢先、震災と原発事故に見舞われた。職場を奪われ、借金を返済する手だてがない。「多くの商工業者が資産や機械を被災地に残し途方に暮れている。早期の仮払いはせめてもの心の救いだ」と仲間の気持ちを代弁し、「今すぐ現金が必要な会員も多い。速やかに対応してほしい」と望む。

 ただ、景気がずっと右肩下がりだっただけに、「直近の売上高だけを算定基準にすると、大変な事業所も出てくる。過去3年間の売上高の平均額を算定基準とするよう東電などに求めたい」と語った。

 南相馬市原町区で材木店を営む男性(69)は福島第一原発から30キロ圏内の南相馬市や、全村が計画的避難区域飯舘村に山林を所有する。

 放射線量が高いことから、震災前に切り出した木材をそのまま放置している。切り出した木材は3〜4カ月以内に出荷しないと商品価値が落ち、価格が付かなくなる心配がある。さらに仕事の9割を占める国有林の間伐は、30キロ圏内などでの作業が原発事故でストップし、これまでに1千万円の損害が出ているという。

 「これまでの被害を賠償してもらうのはもちろんだが、いまだに原発事故は終わりが見えず、どれだけ被害が広がるのか分からない。一回だけでなく、継続的な支払いを求めたい」と語気を強めた。

5.JMM [Japan Mail Media]
http://ryumurakami.jmm.co.jp/dynamic/economy/question_answer671.html