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原発関連ニュース(6月17日)

福島第1原発:80キロ以遠の放射線マップ公表…文科省
毎日新聞 2011年6月16日 23時57分(最終更新 6月17日 0時11分)

文科省が公表した、福島第1原発から80キロ以遠を含む放射線マップ(同省提供)=共同
 文部科学省は16日、福島第1原発から80〜100キロ(一部は120キロ)離れた地域の放射線マップを公表した。80キロ以遠では、南側と南西側にほかの方角と比べて線量の高いエリアが広がっていることが分かった。文科省は「数値は低く、健康への影響はないと考えられる」としている。

 調査は5月18〜26日、米エネルギー省と合同で実施。大型放射線検出器を備えたヘリコプターを使い、高度150〜300メートルから地表1メートルの線量を計測した。今回得られた80キロ以遠のデータと、既に得られていた80キロ圏内のデータとを重ね合わせてマップにした。

 80キロ以遠では、原発の南側の茨城県北東部にかけてと、南西側の栃木県北東部にかけての地域に、毎時0.2〜0.5マイクロシーベルトと若干高い放射線量が見られた。

脱原発」打ち出す 県有識者復興検討委が基本理念まとめる
 (福島民報2011/06/16 08:35)
 東日本大震災からの復興指針を福島県に提言する有識者会議「県復興ビジョン検討委員会」は15日、「脱原発」の姿勢を鮮明にした基本理念の修正案をまとめた。原子力に依存せず、再生可能エネルギーや省エネ、リサイクルを強力に推進する社会づくりを目指すとしている。県は「修正案の内容を重く受け止める」としており、委員会の理念が復興ビジョンと具体的な施策を示す復興計画の柱となる見通しだ。
福島県復興ビジョン 県民「脱原発は当然」
河北新報 2011年06月16日木曜日)
 福島県の復興計画の前提となる復興ビジョンに「脱原発」の文言が盛り込まれる方向性が15日固まった。県民や政界関係者はおおむね肯定的に受け止めた。一方、被災者の生活再建優先を求める声もあった。

 559人が避難する福島市のあづま総合体育館。浪江町のタイル業浦喜一さん(70)は「子どもや孫が安らかに暮らすために『脱原発』は不可欠。太陽光などの自然エネルギーに切り替え、県も自治体も復興に向けて早く立ち直ってほしい」と話した。
 南相馬市小高区の元会社員藤田久美さん(38)は「福島に原発はもう要らない。重大な事故を起こした以上、『脱原発』は当然で、むしろ遅いぐらい」と受け止めた。
 二本松市に機能を移転している浪江町役場を訪れた畜産農家山田栄さん(58)は「俺たちが自分の土地にいつ戻れるのか、避難先でどう生活していくのか、道筋をはっきり付けるのが先。脱原発の議論より、やらなければならないことがたくさんある」と語った。
 自民党県連の斎藤健治幹事長は「今の状況では当然。首都圏のために原発が必要というのなら、他の県でやればいい。われわれは安全神話を信じて原発を推進したが、反省している」と述べた。
 民主党県連の宗方保総務会長は「事故で暮らしや産業などあらゆるところに亀裂が入った。県民の健康と安心を守るためにはやむを得ない。もう福島で原発は動かせないだろう」と展望した。
 一方、民主党などでつくる県議会第2会派「県民連合」会長の渡部譲民主党県連特別常任幹事は「あれだけの事故が起きたので脱原発の方針は理解できるが、即廃炉ではなく、なぜ日本や福島が原発を必要としたのか、慎重に検証する必要がある」と指摘した。
 福島第2原発が立地する富岡町の遠藤勝也町長は「原発依存型から脱却し、双葉地方に新エネルギーの研究・開発拠点を集約した新たなまちづくりを進めなければならない」とコメントした。

5年前に指摘されていた福島原発津波」への無力

NEWS FILE
プレジデント 2011年4.18号
必要性を理解して行為を怠れば、それは行政の不作為であり、今回の被災規模を考えればその責任は重大だ。
ジャーナリスト 藤野光太郎

地震の衝撃が走り、大津波の惨劇が起き、原発事故の地獄が始まった。

政府や原子力安全・保安院、そして原発事故の直接責任者である東京電力は、「放射能は微量であり、 直ちに生命を脅かすほどのものではない」と説明する。しかし、拡散する放射性物質を浴び続けると、線量・発生源からの距離・浴びた時間次第では微量でも有害だ。

また、地震による「想定外」の津波が事故原因であるかのような物言いがまかり通っているが、これも事実ではない。震災直前の2月28日、東京電力は新潟と福島の三原発17基で計429機器の点検洩れを認めている。想定外どころか、驚くべき規模の管理怠慢である。

問題はさらに根深い。実は5年前の2006年3月1日の衆議院予算委員会分科会で、まさに今回同様の事故への懸念が指摘され、危機を回避するための措置を講じることが「約束」されていたのだ。

質問者は日本共産党の吉井英勝衆院議員、答弁者は二階俊博経産相(当時)と政府参考人の広瀬研吉保安院長(同)。以下はその議事録からの抜粋だ(敬称略)。

吉井「冷却系が喪失するというのが津波による(略)問題」「大規模地震によってバックアップ電源の送電系統が破壊される」「老朽化したものの実証試験を行ったということはどれぐらいありますか」

広瀬「実証試験は行われておりません」

吉井「東電福島第一の(略)6基では、基準水面から4メートル深さまで下がると冷却水を取水することができないという事態が起こりうるのでは?」「……それをどうしていくのか」

二階「今後、経済産業省を挙げて真剣に取り組んでまいりますことを、ここでお約束申し上げておきたいと思います」

必要性を理解して行為を怠れば、それは行政の不作為であり、今回の被災規模を考えればその責任は重大だ。これでは、いま刻々と報じられる説明や発表さえ信じられなくなる。「基本的な事故データが開示されず、状況を把握できない」(吉井議員)ことに誰もが苛立っている。特に3号機は、他の1、2、〜6号機と違って猛毒のプルトニウムとウランとの混合燃料が使用されたプルサーマル型。専門家なら10人が10人、最も危険視する原発である。情報が開示されず“金縛り”に遭ったまま、国民は危機回避の機会を奪われている。

首相、原発全廃「何年か後に国民的選択あってもいい」
日本経済新聞 2011/6/17 14:21

 菅直人首相は17日午後の参院東日本大震災復興特別委員会で、エネルギー政策について「福島第1原子力発電所事故や地球温暖化の問題を含めると、化石燃料原子力エネルギーに加えて、再生可能な自然エネルギー省エネルギーをもう二つの基幹的な柱に据えて考える必要がある。そこまでは政府として、ほぼ意思統一ができている」との認識を示した。

 そのうえで、国内の原発の全廃について「まずは再生可能なエネルギーと省エネルギーを育てることが重要で、それだけで十分だという社会が生まれてくるのかということを考えて何年か後に国民的な選択があってもいいのではないか」との認識を示した。

 民主党増子輝彦氏への答弁。〔日経QUICKニュース〕
首相「廃炉まで国が責任」 新法制定検討を表明
2011/6/17 14:21

 菅直人首相は17日の参院東日本大震災復興特別委員会で、東京電力福島第1原子力発電所の事故を受け、原子炉の廃炉まで国が責任を持つなど事故処理の対応を定めた新法の制定を検討する考えを表明した。

 首相は「福島第1原発の処理を責任ある体制で進めていくためには、今の法体系のままでは将来まで責任はもてないのではないか」と述べ、「原子力災害対策特別措置法」など現行の法体系では対応できないとの認識を示した。首相の指示で立ち上げた政府・東京電力統合対策室に関しても、現在は法的な権限の裏付けが無い問題点を指摘し、新法に明記する考えを示唆した。

 民主党増子輝彦氏の質問への答弁。