Art Site Horikawa-I

書くことを積み上げ、アート生成に向けての発想・構想力を鍛える。

前山忠−10

1972年は「札幌冬季オリンピック」「連合赤軍浅間山荘事件」「沖縄返還」「北爆」「田中角栄日本列島改造論」「日中国交回復」「テルアビブとミュンヘン五輪の血の惨劇」などで激動の年。1973年は第一次オイルショックの年である。
世の中の動きのテンポが激しく美術で表すことが幻想のようであり、表現における自己同一性がうまく行かない時代でした。
そんな中で新たに仲間を募ってGUN展を開催することに。テーマを「眠り込むな」としたのがそれなりの社会的なアピールでした。
この時の前山忠レポートです。原本は青焼きコピーでした。それまでのテキストに比べると字数も少なく時間をじっくりと使って書いたレポートのようには見えないビラですが、この時期の前山さんの本音が出ていると思います。作品は日章旗の実物を汚くして画廊会場の入口に敷いたもの。人間に湿った布をかぶせて象ってその上にボンドを吹き付け?などして固めたもの。
この時期の考え方と作品について前山さん本人のコメントがほしいです。


この時のことは参加者経田佑介さんの新潟日報記事(「新潟現代美術家集団GUNの軌跡」に掲載)に詳しく書かれています。
なお、これ以後前山さんがGUNについて書くのは1990年以降である。
このブログの前山忠特集はこれで終わります。最後に、1966年の詩集SAMPLEで自分自身のためのバージョンに書いた未発表作品が有りましたので掲載させていただきます。前山さんの気張らない本音、内省が見えて珍しい作品です。