Art Site Horikawa-I

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原発問題(5月5日)

1.原発4基の運転再開、認められない…福井知事

福島原発東京電力福島第一原発事故を受け、国内最多の14基の原発を抱える福井県の西川一誠知事は4日、定期検査中の関西電力美浜原発1号機など4基について、国が原発の暫定的な安全基準を示せないなら、「運転再開は認められない」との考えを明らかにした。
この日、同原発を視察した海江田経産相と会談した後、報道陣に述べた。
 今回の事故対策として国は3月下旬から4月中旬にかけ、非常時の代替電源確保など3回にわけて電力各社に指示。海江田経産相はこの日、現在停止中の各原発の運転再開の時期については、こうした対策の実施状況を見ながら「総合的に判断する」と述べた。

(2011年5月4日21時40分 読売新聞)

2.1号機近くの海底土砂から高濃度放射性セシウム
 福島原発 東京電力は5日、福島第一原子力発電所付近の海底の土砂から、1キロ・グラム当たり8万7000ベクレルの放射性セシウム137を検出したと発表した。
 事故前に同じ場所で行った環境調査に比べ約3万8000倍の濃度にあたる。

 土砂は1号機北側の岸壁から約30メートル沖合の海底で4月29日に採取された。セシウム137以外にも、事故前は検出しなかった放射性のヨウ素131が同5万2000ベクレル、セシウム134が同9万ベクレル検出された。

 東電は、高濃度の汚染水が海に流れ込んだか、大気中の放射性物質が海に落ち、海底に沈殿した可能性があると見ている。

(2011年5月5日22時28分 読売新聞

NY GALさんより教えていただいた福井新聞の記事です。
3.福島原発、ベント難航で最悪想定 政府、大震災の翌日
(2011年5月4日午前0時17分)

 自衛隊ヘリから撮影した福島第1原発。(手前から)1号機、2号機、3号機、4号機=4月26日(防衛省提供)

 東日本大震災翌日の3月12日に、福島第1原発1号機の蒸気を排出し格納容器の圧力上昇を止める「ベント」が難航していた際、同日深夜に格納容器が破損して敷地境界での「被ばく線量」が重大な健康被害を及ぼす「数シーベルト以上(1シーベルトは千ミリシーベルト)」になるとの予測が、政府内で示されていたことが3日分かった。
 政府、東京電力関係者への取材や政府文書で明らかになった。原発周辺での「著しい公衆被ばく」の発生も想定していた。
 ベントは菅直人首相の現地視察が終了した直後の同日午前9時すぎに着手したが、機器の不調でうまくいかず、蒸気排出が確認されるまで約5時間半かかった。政府がこの間に「最悪のシナリオ」を想定していたことが初めて判明した。
 事故の初動対応ではベントの遅れで事態が深刻化したとの批判がある。この最悪シナリオは回避されたとはいえ、ベントの遅れの問題は、首相が近く設置する考えを示した事故調査委員会の検証の焦点となる。
 短時間に1シーベルト放射線を浴びると1割の人が吐き気やだるさを訴え、4シーベルトなら半数が30日以内に死亡する。「数シーベルト以上」の被ばくとの表現は、致死量相当の危険性があることを示している。
 共同通信が入手した政府文書や関係者によると、経済産業省原子力安全・保安院は3月12日午後1時に、1号機で「ベントができない場合に想定される事象」を検討した。
 この時点で、格納容器の圧力が設計圧力の2倍近い0・75メガパスカル(約7・4気圧)に上昇。ベントができなければ、午後11時には設計圧力の3倍の1・2メガパスカル(約11・8気圧)に達し、格納容器が破損すると想定した。
 その場合、放射性ヨウ素セシウムなどが大量に放出されて「被ばく線量は(原発の)敷地境界において数シーベルト以上」となり「気象条件次第によっては、発電所から3〜5キロメートルの範囲において著しい公衆被ばくの恐れがある」と推定した。
 1号機のベントは二つある弁の一つが開かず、緊急調達した空気圧縮機を使って実施。着手から5時間半後の午後2時半に蒸気排出を確認、格納容器圧力が低下した。