Art Site Horikawa-I

書くことを積み上げ、アート生成に向けての発想・構想力を鍛える。

大震災関連ニュース

1.津波に耐えた木造100年工法 木材つなぐ金具に工夫

2011年5月6日5時53分(朝日新聞

津波でも流されなかった歌津公民館=4月28日、中島写す

KES構法のイメージ図

 東日本大震災の大津波に流されなかった木造の建物があった。建築会社「シェルター」(山形市、資本金5千万円)を営む木村一義さん(61)が、「100年たっても大丈夫な木の建築を」と手がけた工法でつくった施設だった。

 津波に耐えたのは、宮城県南三陸町の歌津公民館と同県石巻市の北上総合支所。公民館は、周辺の建物のほとんどが流されたなかに、ぽつんと残る。支所はコンクリート部分と比べて、木村さんの工法をつかった木の部分は傷みが小さかったという。

 木村さんは大工の4代目として建築を学び、米国留学もした。木材と木材をつなぐ金具の工夫で、木の強さを引き出す「KES構法」と名付けた工法を編み出し、1974年に会社を起こした。

 柱の部分、つまり構造体だけの価格は、ふつうの木造より5〜10%高くなる。リフォームの際に導入できる場合もある。

 建てた家が100年もてば、子ども、孫は住宅ローンから解放される。そんな発想で、81人の社員とともに木造の住まいを全国でつくり、中規模以上の建物には技術を提供してきた。年商は36億円だ。

 95年の阪神大震災では、神戸市のある地域は壊滅的な被害を受けたが、KES構法でつくった3階建ての木造家屋は残った。震度7クラスまでの地震には自信があった。大津波には不安がよぎったものの流されなかった。「うれしかった。でも、多くの建物ががれきになり、たくさんの命が奪われた。複雑です」

 木村さんは、避難所になった山形市の市総合スポーツセンターに80世帯分の間仕切りを提供した。プライバシー確保のためだ。「これからも、できる支援をしていきます」(中島隆)

2.首相、稼働中の浜岡原発4、5号機の停止要請

2011年5月6日19時23分(朝日新聞

 菅直人首相は6日夜、首相官邸で記者会見し、静岡県御前崎市にある中部電力浜岡原子力発電所について、安全対策として中電が検討している新たな防波壁が完成するまで、定期検査中の3号機のほか、現在稼働中の4、5号機も含めてすべての原子炉の稼働停止を要請した、と表明した。海江田万里経済産業相を通じて中電に伝えた。

 首相は会見で「浜岡原発が所在する地域を震源とすると想定される東海地震が発生する可能性が関係機関から示されている。国民の安全・安心を考えた結果の決断だ」と述べた。浜岡原発停止に伴う電力供給力の低下については「電力需給バランスに大きな影響が起きないよう、政府として最大限の対策を講じる」と語った。