Art Site Horikawa-I

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原発問題(5月13日)

1.朝日新聞より
福島原発3キロ圏、90マイクロシーベルト超える地点も
2011年5月12日22時46分

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放射線モニタリング
 文部科学省は12日、警戒区域となる福島第一原発から20キロ圏内の大気中の放射線量の調査結果を発表した。一時帰宅が認められない原発から3キロ圏内やその周辺で、毎時30マイクロシーベルト以上の高い線量を示した。一方、原発の南方約55キロの海底の土から、セシウム137と134が、それぞれ1キロあたり100ベクレル検出された。

 今月6日に20キロ圏内の8市町村の計50地点で計測車で測った。最高地点は、大熊町小入野(原発から約3キロ)の毎時92.8マイクロシーベルト。同町夫沢(同約2.5キロ)の3地点では70.6、33.2、28.3マイクロシーベルト。3キロ圏外でも4地点で30を超えた。

 30キロ圏外で最も高い浪江町赤宇木の6日の線量は毎時19.3マイクロシーベルト

 海底調査は、93メートルの海底から5日に採取した
2.毎日新聞より
福島第1原発:1号機圧力容器に穴 工程表の前提崩れる

東京電力が公開した圧力容器の模型写真(底部)

 東京電力福島第1原発1号機で燃料棒を収めている圧力容器が損傷し、大量の水漏れが起きていることが12日、明らかになった。東電は同日夕、圧力容器の底に合計で数センチ相当の複数の穴が開いている可能性もあるとの見解を示した。17日には同原発事故の収束までの課題を示した新しい工程表を発表するが、現在の工程表で盛り込まれていなかった「圧力容器の破損」という事態に、計画の見直しを迫られることは必至だ。【中西拓司、足立旬子、岡田英】

 先月17日に示された工程表は、6〜9カ月以内に原子炉の温度を100度未満の「冷温状態」にすることを目標に、3カ月以内に行う対策の上位に燃料域上部まで格納容器を水で満たす「水棺」の実施を挙げている。燃料のある圧力容器(360立方メートル)に注水し、そこから水をあふれさせて格納容器(7400立方メートル)に冠水させるという手法だ。

 ただし、水棺を実現するためには格納容器とその内部にある圧力容器がいずれも健全な状態であることが前提となる。工程表では、1号機の圧力容器破損の可能性については触れられておらず、格納容器についても「微量の蒸気の漏えい」を指摘しているだけだ。

 東電は燃料を冷やすため、毎日150立方メートルの水を圧力容器に注水し、これまで累計1万立方メートルを入れた。しかし、高さ20メートルある圧力容器の水位は高くても4メートルで、格納容器から漏水していることも指摘されている。

 圧力容器の底には、燃料の核反応を止める制御棒を駆動させるための装置が貫通しており、溶けた燃料の熱で溶接部に穴が開いた可能性がある。注水量と貯水量との比較などから、東電は穴は複数あり、大きさの合計は数センチ程度と推定した。また、大量の水や水蒸気が圧力容器の損傷部から格納容器側に漏れ出し、さらにその水が格納容器につながっている圧力抑制プールやタービン建屋に漏れ出している恐れがある。

 1号機は2、3号機に比べて冷却に向けた準備が最も進んでいた。「モデル」とされた1号機の新たなトラブルは「6〜9カ月」とした日程に影響を与えそうだ。

 原子力技術協会の石川迪夫(みちお)・最高顧問は、燃料棒溶融について「冷やされているので(核分裂が連続する)再臨界などの可能性はない」としながら、「燃料棒が溶け落ちたという点では、米国のスリーマイル島原発事故(79年)と同じ状況だ。圧力容器の内部は非常に高温で、溶けた燃料棒は圧力容器の下部でラグビーボールのような形状に変形しているのではないか」とみている。
3.産經新聞より
東電1号機「メルトダウン」認める  
2011.5.13 01:21 (1/2ページ)
 東京電力は12日、福島第1原発1号機で、燃料棒(長さ約4メートル)が冷却水から完全に露出して溶け落ち、圧力容器下部に生じた複数の小さな穴から水とともに格納容器に漏れた可能性があると発表した。東電は、この状態を「メルトダウン炉心溶融)」と認め、格納容器ごと水を満たして冷やす「冠水(水棺)」作業の見直しに着手した。冷却作業に遅れが出るのは確実で、事故収束に向けた工程表は大幅な見直しを迫られることになった。

 これまで圧力容器内の水位は通常時の燃料上端から約1・5〜1・7メートル下とみられていたが、水位計を調整して測った結果、5メートル以下と判明。1号機原子炉の燃料がすべて露出していた時期があった可能性が高く、配管の溶接部に複数の小さな穴が開き、溶融燃料が格納容器に流出したとみられるという。

 ただ、圧力容器下部の表面温度は100〜120度と比較的低く、東電は「燃料は(水に浸かって)冷却できている」としている。