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(日経ニュースより)
青空に映えるハートマーク。ロシア・サンクトペテルブルクで行われた航空ショーの演出に、カップルもうっとり?=AP

東日本大震災:被災女性が「災害ポエム」…海をうらまない

毎日新聞 2011年7月5日 13時32分(最終更新 7月5日 14時30分

佐藤啓子さんの詩。「復興」の言葉には「福幸」の漢字があてられていた=岩手県山田町で、小川昌宏撮影
 <海を決して、恨んではいけないよ……。流された人の命は、やがて、きれいな海の目となり、生き残った私達を見守ってくれる海の目>

 3月11日以降、毎日「災害ポエム」を執筆している女性がいる。岩手県山田町の佐藤啓子さん(33)。山田湾の海を眺めながら、独特の文体と漢字の当て字を使って書いた詩が、7月中旬に詩集「海をうらまない」(合同出版)として出版される。【長尾真希子】

 軽度の知的障害がある佐藤さんは山田町内の高台で福祉施設の作業中に被災。共同生活をしていたケアホームは流された。「被災地復興のために、自分も何かできないか」。一時、身を寄せていた避難所でルーズリーフとペンを用意してもらい、災害ポエムづくりに没頭した。1日4〜10編ほどつくり、書きためたノートは計5冊、ポエムの数は500編以上になった。

 <生き体(たい)……。想(そう)は想(おも)っても、人生、何が起きるか分からないね。それに体(たい)して、負けない心……。だからと言って、力まずいつも笑顔で相手の心、想(そう)っとしてあげるやわらかい心>

 詩人の星野富弘さんの詩集を姉に手渡されたことがきっかけでポエムを作り始めた。人の心を動かす力があることが分かり、没頭した。<心は、いつも満福(まんぷく)に><日本福幸(ふっこう)>などと、希望や幸せに満ちた文字を当て字に使い、そこに被災者への思いも重ねる。

 「命ある限りポエムを書き続ける。私のポエムで元気になってくれる人がいるなら、これ以上幸せなことはないです」

 海を一望できる福祉施設で暮らす。詩集の売り上げを被災地に寄付するのが夢だ。