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菅直人問題-1

首相「脱原発は私の考え方」 発言迷走、与野党批判
(共同通信 2011年7月15日)
 菅直人首相は15日午後の衆院本会議で、13日の記者会見での「脱原発」表明に関し「私の考え方を申し上げた」と述べた。午前の閣僚懇談会でも「私的な思い」と釈明しており、政府方針ではなく個人的見解として軌道修正を図った形だ。ただ会見では原子力政策見直しは「総理の責務だ」と強調していただけに、整合性が問われるのは必至。与野党幹部からは国の基本政策をめぐる迷走発言に批判が相次いだ。

 首相は衆院本会議に続く参院本会議で「政府としては、原発依存度を段階的に下げていくことにしている」とも説明。政府は閣僚から脱原発表明に異論が出されたことを受け、来週前半に閣僚懇談会を開き意見交換するが、認識の一致を図るのは困難な情勢だ。

 民主党羽田雄一郎参院国対委員長は記者会見で「首相が会見で話したことが『私的なこと』と言われてしまうと、われわれとしても受け止めようがない」と苦言。

 自民党逢沢一郎国対委員長は「記者会見を自ら求めて開いておいて、個人の考えというのでは、内外に説明がつかない。首相発言は内閣全体の方針、政策でなくてはならず、政権の体をなしていないことを自ら露呈した」と指摘した。


首相、独でなでしこ応援しようとしていた…幻に
(2011年7月16日08時58分 読売新聞)
 ドイツで開催されているサッカー・女子ワールドカップ(W杯)の決勝戦について、菅首相が現地で応援する方向で首相周辺が一時検討したものの、断念していたことが15日わかった。

 政府関係者によると、初の決勝進出を果たした「なでしこジャパン」を首相が現地で観戦できるよう、17日朝に政府専用機で日本を出発し、19日朝に帰国する「強行日程」が秘密裏に検討された。しかし、「東日本大震災の対応もあるのに、サッカー観戦している場合ではない」と慎重意見が出たほか、「政府専用機を使用すれば数千万円の経費がかかる」(防衛省)ことも考慮し、結局、“ドイツ外遊”は幻に終わった。政府は代わりに鈴木寛文部科学副大臣の派遣を検討している。

 民主党内からは「被災者への義援金が行き届かない中、数千万円を使ってサッカー観戦など、あきれる」と首相の姿勢を疑問視する声が出ている。
与謝野経財相:復興と一体改革同時に ギャンブル税検討を
毎日新聞 2011年7月16日 2時32分)
 与謝野馨経済財政担当相は15日、毎日新聞のインタビューに応じ、政府・与党が決めた消費税増税を含む「税と社会保障の一体改革案」の今後について「(東日本大震災の)復興財源の手当てと同時に一体改革の法制化作業もできればいい」と述べた。今秋の復興財源に充てる臨時増税を柱とする税制改正案の取りまとめに合わせ、「2010年代半ばまでに消費税を10%に引き上げる」とする一体改革を具体化し、今年度中の関連法案の整備につなげたい考えを示したもの。一方、復興財源では「(所得税法人税など)基幹税増税だけでは難しい」と指摘。たばこ税増税や、競馬などを対象にした「射幸税(ギャンブル税)」導入なども検討すべきだとの考えを示した。【赤間清広】

 一問一答は次の通り。

 −−一体改革案は、与党の反発で消費税増税時期などの表現が後退しました。

 ◆(自民党政権時代も含めて)歴代政権ができなかった消費税増税方針を民主党政権が決めた意義は大きい。増税時期は「10年代半ば」となったが、2014〜16年度を含んだ表現だと政府・与党内で確認している。

 −−財政再建社会保障の持続性確保という一体改革の目標は実現できますか。

 ◆(日本に消費税率15%への引き上げを提言した)国際通貨基金IMF)の提言は正しいが、今回は政治的に10%が目いっぱいだった。高齢化や労働人口の減少で、数十年後の日本をめぐる環境はさらに厳しくなるだろう。16年度以降、税制や社会保障給付のあり方を再度、点検する必要がある。

 −−復興財源の確保も喫緊の課題です。

 ◆(復興債発行で)お金を借りる以上、いつまでに、どういう財源で返済するか明示しなければ、日本の財政規律に対する市場の信認は保てない。8月の早い段階で、具体的な税目を示す必要がある。

 −−政府の復興構想会議は所得税法人税、消費税など基幹税引き上げの必要性を指摘しています。

 ◆(10兆円超とされる)復興財源を基幹税の増税だけで賄うのは難しい。たばこ税などの引き上げも検討すべきだ。さらに、競輪や競馬、宝くじ、パチンコなどに税金を課す「射幸税」導入や、携帯電話の電波利用料を引き上げて財源に回すことなど幅広く検討すべきだ。

 −−震災復興と一体改革の議論を同時に進めていけますか。

 ◆いずれも最終的な決定は与野党協議に委ねられると思うが、税制をどうするかは共通した課題。復興財源の手当てと同時に、一体改革の法制化作業もできればいい。

 −−菅直人首相の「脱原発」発言が波紋を呼んでいます。

 ◆極めて純情、純真な青年が夢を語ったということ。政策選択がもたらす結果をよく考えてやらないと間違いを犯しかねない。