寂しい尾瀬、遠い客 風評被害と東電の土地保有影落とす
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ニッコウキスゲが見頃を迎えても閑散としたままの尾瀬国立公園=15日、福島県檜枝岐村、山田写す
ハイカーで混雑する尾瀬の木道=06年6月
尾瀬国立公園
福島、群馬両県などにまたがる尾瀬国立公園を訪れる観光客数が伸び悩んでいる。原発事故で宿泊のキャンセルが相次いだためだ。尾瀬の4割を所有する東京電力の経営問題も影を落としている。
群生するニッコウキスゲの花が見頃を迎えた7月中旬、福島県側からの入り口となる檜枝岐(ひのえまた)村の尾瀬沼周辺は閑散としていた。愛知県豊橋市から来た山岳ガイドの木戸誠さん(47)は「人が少なくて驚いた。例年は平日でも団体客で混み合うのに」と話した。
尾瀬はミズバショウが咲く5月下旬からニッコウキスゲの7月を中心に、年間30万〜40万人が訪れる。だが、環境省によると今年は例年の3〜4割減という。
村営の山小屋、尾瀬沼ヒュッテの平野正毅総支配人(52)は「原発事故以降、関西方面の旅行会社が予定していたバスツアーがほとんどキャンセルになった。宿泊客は例年の5〜6割」と言う