Art Site Horikawa-I

書くことを積み上げ、アート生成に向けての発想・構想力を鍛える。

弥彦野外アート展について

本日より、自分の歩みで未掲載のことを中心にし、日記を付け足して行きます。画像は基本的に一点とします。今年の「弥彦野外アート展」の作品は既に紹介しました。これまでの「弥彦野外アート展」への関わりについて紹介します。
2000年に第一回大地の芸術祭が開催され、19名の県内作家が参加。その経験を元に、翌2001年に第一回弥彦野外アート展(野外アートin弥彦)が開催されました。会期は10月28日〜11月11日。弥彦村に住んでいる大地の芸術祭作家の瀬戸川真理子が起案し事務局を担当。近隣の燕市在住の霜鳥健二が協力。そこに17人の作家が趣旨に賛同し参加。

 私の出品作品「野外アート展のためのベンチ」です。構想をまとめたのは7月。しかしその後、9/11が起こり、その衝撃から表現を方向転換。

                        (撮影 アーノルド・グロッシェル)
この作品についてのコメント                                
 今回の出品作品は、昨年の大地の芸術祭(2000年)で始まったベンチシリーズの4作目である。
 ベンチ(長椅子)の本質は、数名が腰をかけることができるという機能にある。その機能あるベンチにメタな表現やコンセプチャルなメッセージを付け加えたり、周囲に美術の歴史から引用したオブジェを配置したりする。ベンチの元手に加算していくことで複合的な表現の磁場を構成したい。
 付記
 上記のコメントの提出後間もなくしてアメリカで9/11の同時多発テロがあった。続く、報復爆撃の開始。これら一連の激動する世界情勢を受けて、私の頭脳は変った。私の作家としての戦略も変った。その一環として出品プランの再考となった。
 再考によりベンチの元手に加算する要素が増殖した。国家、国際関係、WAR、ART、平和、人道、そして会場弥彦村の百周年などが思考のことばとなった。これらのことばと意味関係する記号やオブジェを紡ぎ合わせ、また周囲の樹木も利用することとした。(2002年1月22日)

 作品に使用した要素、オブジェ等のメモ
 ⑴ 最初のプラン
 ・ デュシャンのオブジェ(自転車ホイール)
 ・ 自作のオブジェ(車のホイールの鐘)と木槌
 ・ ベンチ本体の用材は可能な限り太い木をカット(杉材)
 ⑵ 再考により付加したオブジェ等
 ・ デュシャンのオブジェ(便器・泉)
 ・ 日本国旗セット,アメリカ国旗,教材用万国旗セット
 ・ 針金を使った文字彫刻(WAR,ART)
 ・ 国際赤十字赤新月のマーク

 ・ 新潟緑の百年物語プロジェクトにより月岡小で育てているウバメガシの苗
 ・ 旗を付ける紐とそれを張る周囲の白樺
 ⑶ 展示作業をしながら気付いて取込んだ要素
 ・ 会場近くの競輪場の鐘の音(野外アートin弥彦記録集29〜30pより)
(この作品のベンチ本体は、堀川が勤務していた月岡小学校に寄贈。)

さて、本日は、今回の個展の来場者への礼状と大地の芸術祭のスナップ写真を友人に送付するなどでほぼ一日を費やてしまいました。明日は花ロードの作品を作ります。