Art Site Horikawa-I

書くことを積み上げ、アート生成に向けての発想・構想力を鍛える。

M・デュシャンへの遡行

このブログに時々顔を出していただいているお方に舟見倹二さんがいる。舟見さんは1925年生まれ。その舟見さんのアトリエに戦後になってからの美術雑誌がほぼ揃っている。その舟見文庫で篠原さんの「前衛の道(初版)」に書かれている内容とその巻末の中原佑介さんによる「解説にかえて-コラージュ風な戦後美術の歩み 1956〜67-」などの指標になる出来事(記事)を確かに辿る事が可能である。
アンフォルメル以後ではなくアンフォルメル旋風のことや1960年の「反絵画・反彫刻・反批評-二つのアンデパンダン展の問題点をめぐって-(みづえ 1960 APRIL)」など。文庫から100枚くらいコピーをさせていただいた。自分の現代美術DNAの「長岡現代美術館以後」のベースを構成する内容を理解できたように思う。また針生一郎東野芳明中原佑介大岡信の各位の若い頃の写真が新鮮だった。
さて、舟見さんの文庫に更に珍しい資料があった。戦後になって近くの古本屋で手に入れられた美術書で、その中に「ダダイズム」があり、M・デュシャンの作品も紹介されている。物見遊山のようで恐縮だが昭和12年(お米一俵が12円94銭の時代)に2円の値段。そこにダダイズム、とりわけM・デュシャンを見つけてうれしくなった。その図版の一部を紹介する。この本、古書としてかなり価値があるのではないかと思いました。