Art Site Horikawa-I

書くことを積み上げ、アート生成に向けての発想・構想力を鍛える。

富井玲子さんの活動略歴紹介

僭越ながらこのブログでNYでまさに国際的に活躍されている美術史家の富井玲子さんご自身による活動略歴を掲載させていただきます。富井さんはこの下旬に来日(帰国)され、瀬戸内芸術祭を視察等の後に上越に寄られ、31日のBlue Sky Project展の初日に「from New York」と題したレクチャーをしていただきます。富井さんはBlue Sky projectを発想するきっかけとなった9.11の写真を撮影された方です。なお、BSP展の参加者には事務局通信でプリントしたものをお送りします。

略歴
富井玲子

1979年に大阪大学理学部数学科卒業
1982年に大阪大学文学部美学科卒業、論文は、ナウム・ガボのキネティックの実験について
1984年に大阪大学文学研究科修士課程修了西洋美術史専攻、論文は、キネティック・アート論。同年、フルブライト奨学金を得て渡米
1988年にテキサス大学オースティン校博士課程修了美術史学専攻、論文はジョージ・リッキー論

主な職歴
1988より1992年まで、NYの国際現代美術センター(CICA)上級研究員を務める
1992年~現在、インデペンデント・スカラーとして研究、執筆、翻訳、編集活動。インデペンデン・キュレーターとして日欧米の美術館・画廊で展覧会を企画
2003年~現在、ホワイトボックスのアドバイザー委員、アート・アジアパシフィック誌のコントリビューティング・エディター、ポンジャ現懇の主宰など務める

主な英文業績
1989年 『草間彌生回顧展』(NY、CICA)に執筆、編集
1994年 アレクサンドラ・モンロー編著『Japanese Art After 1945: Scream Against the Sky』で、絵画論の寄稿、資料集編纂・翻訳、全体の編集
1995年 セントルイス美術館の『日本画展』カタログを翻訳・編集監修
1997年 NY、クイーンズ美術館の『蔡国強・文化大混浴展』カタログにテキストと年譜を執筆
1999年 クィーンズ美術館『グローバル・コンセプチュアリズム』展日本セクション担当
2000年 NY、ジャパン・ソサエティーの「YES Yoko Ono」展カタログに執筆、編集監修
2001年 ロンドン、テート・モダン『センチュリー・シティー』展東京セクション担当
2001−02年 NY、ホワイトボックスで、「Sighting(目撃)」展シリーズを企画、パート1:ピンク〜笠原恵美子/パート2:歴史のレッスン〜彦坂尚嘉・柳幸典
2004年 NY州立大学ポツダム校ロランド・ギブソン・ギャラリー『呼応する精神:ギブソン・ギャラリー収蔵品で見る1960年代の日本現代美術』展カタログに執筆
2005年 城西大学英文紀要『Review of Japanese Culture and Society』17号を「1960s Japan: Art Outside the Box」のテーマでゲスト編集
2007年 『モダニズム以後の集団による美術』(ミネソタ出版出版局)に執筆
ロサンジェルス、ゲッティー研究所『芸術・反芸術・非芸術』展カタログに執筆
2009年 NY、マッキャフリー画廊『白髪一雄の60年』展カタログを執筆
2010年 赤瀬川原平超芸術トマソン』の英訳出版に執筆
2011年 『グローバリゼーションと現代美術』(ブラックウェル出版)に執筆

主な和文業績
共著
1989年 『美術史のパースペクティヴ』(鹿島出版会
1996年 『美術史のスペクトルム—作品・言説・制度』(光琳社)
2004年 『うごくモノ—時間・空間・コンテクスト』(東京文化財研究所編、平凡社
2007年 『戦後美術と美術批評』(美術評論家連盟編、ブリュッケ)

1996年~現在まで、連載コラム「NY現在通信」を『新美術新聞』に執筆
2003年~09年、連載コラム「素描」を『信濃毎日新聞』に連載(3カ月おき)
2009年~現在まで、「海外通信」を『朝日新聞』東京版夕刊文化欄に執筆(3カ月おき)