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福島第一原発「廃炉」へ

当然の事ですが福島第一原発の今後は廃炉以外の選択はあり得ないと思います。炉心溶融、炉心爆発、放射能漏れを防ぐ措置に見通しが立たない現状の中でお詫びして何になるのでしょうか。

福島第一原発廃炉」を検討 東電常務が福島で謝罪会見
産経新聞 3月18日(金)21時35分配信

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記者たちから途切れない厳しい質問に言葉を失う東京電力の小森明生常務=福島市の県災害対策本部(石崎慶一撮影)(写真:産経新聞
 東京電力の小森明生常務は18日、福島市内の福島県災害対策本部で記者会見し、福島第1原子力発電所の爆発や放射能漏れ事故について「このような事態を招き痛恨の極みです。福島県民におわびします」と県民に初めて謝罪した。

[フォト]頭を下げる東京電力の小森常務ら

 小森常務は、福島第1原発廃炉について「幹部と議論したことはないが、今後はそういうことも含めて検討していく」と述べた。

 放射能汚染への不安と怒りが福島県民には広がっているが、「厳しい状況が続いているが、あらゆる手だてを講じて、安全確保に努めたい」と事態収束に全力を尽くす構えを表明した。

 放射能汚染を避けるために、避難所を転々としている周辺住民に向けて「誠に申し訳ない」と涙ながらに謝罪。今後の補償については「国と相談して考えていく」と語った。

 今後、原発事業の継続に関しては「経営判断があり、今答えられない」とした。

 記者団からは「原発の安全性をPRしてきたのは正しかったか」「福島県民に希望はあるのか」といった質問が相次いだが、「イエスかノーかで答えられない」と言葉を失っていた。

機器類正常に動くか?電源復旧への課題
読売新聞 3月19日(土)9時15分配信

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読売新聞
 東日本巨大地震で被災した東京電力福島第一原子力発電所で、電源を復旧させる懸命の作戦が続く。

 大きな津波に襲われて損傷し、水浸しになった機器や設備は正常に働くのか、慎重な点検が求められる。どのように送電工事は進み、復旧に向けて、乗り越えなければならない課題は何か。


 ▼強い放射線

 福島第一原発に外部から電源を供給する工事は急ピッチで進んだ。原子炉建屋付近では毎時10〜20ミリ・シーベルト(17日午前11時時点)という強い放射線にさらされながら、懸命の作業が続く。東電はまず、津波の冠水を免れた2号機の電源を回復させた後、同じ電気系統にある1号機に供給し、系統の異なる3、4号機には別の送電線を敷く計画だ。

 電力供給で大切なのは電圧の調整。東北電力の高圧線の6万6000ボルトを、所内の変圧施設と、2号機の変圧器を介し、480ボルトまで下げる。

 第一原発がある地域は東北電の供給エリアで、もともと原発建設のため敷地内に作った東北電の高圧線が残っていた。高圧線がつながる変圧施設から2号機建屋までの直線距離は約400メートル。だが、周辺には爆発した原子炉建屋のがれきが散乱。通行可能な安全な道路に沿ってV字形に大きく迂回(うかい)して敷設せざるを得ない。送電線の総延長は1480メートルに及ぶ。

 1回の作業に従事できる人数は20人で、作業員総数は160人。工期短縮のため、鉄塔は建てず、地面にはわせる方法をとった。

 送電線は直径約14ミリのケーブル3本をより合わせたもので重量もある。そのため、車を使って引きずるようにして敷設している。1号機の北西に仮設の分電設備を備えた車を配置。1号機のタービン建屋内を通って、2号機タービン建屋内の変圧器まで達する送電線を敷設する計画だ。

 電源復活をめざす1、2号機は、地上から放水している3号機に隣接している。経済産業省原子力安全・保安院によると、3号機に触れて飛び散った水に放射性物質が混じり、敷設工事の作業員にかかる可能性もあり、放水と敷設の「同時進行はできない」という。作業は容易ではない。


 ▼浸水の影響

 通電に向けて克服しなければならない課題は少なくない。

 東電が16日午後、陸自ヘリから撮影した映像には、津波で流された船があおむけになって、原子炉建屋の脇に転がっている様子が映っている。このため、近畿大学原子力研究所の杉山亘講師は、1号機の建屋内に大量の海水が流れ込み、1階部分にあった電気系統が浸水してしまったとみる。

 この場合、水が引いたとしても塩分が付着しているため、通電したとたん、電気系統がショートを起こして新たな火災が発生しかねない。ポンプで排水し、電力系統を洗浄しなければならない。

 また、原発設計に詳しい石井正則・元石川島播磨重工業技監は「建屋内に水素がたまっていれば、水素爆発を避けるため、まずは排気系を動かす必要がある」と指摘する。放射能が高い現場での作業が困難を極めるのは必至だ。

 通電に成功しても、冷却する機器に故障があれば、原子炉から熱を奪えない。冷却水を貯蔵しているタンクが壊れていれば、新たな水源として、海水をポンプで引く必要がでてくるかもしれない。

 石井さんは「原子炉に水を注入するポンプや配管の電動弁がきちんと動くかどうか。海水の影響や長期間止まっていた影響があるかもしれない。作業員の被曝(ひばく)を避けるため、作業時間は限られる。電源確保の準備を進めながら、同時にポンプなどの点検を行う必要がある」と話している。