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お詫びする人

お笑いコンビ「次長課長」の河本準一さんのお詫び会見をテレビで取材しました。高給を稼いでいる芸人の母親が生活保護を受けているなんて考えられないことです。市役所の生活保護担当者は何をしていたのでしょうか。世の中を成り立たせている原理を危うくする事例です。不正は徹底的に解明してほしいと思います。

生活保護費きちんと返したい」河本準一さん
(2012年5月25日11時42分 読売新聞)
記者会見で「きちんと返したい」と釈明する「次長課長」の河本さん
 お笑いコンビ「次長課長」の河本準一さん(37)が25日、母親の生活保護受給が批判を浴びていることについて東京都内で記者会見を開き、「自分の考えが甘かった。お世話になった分のお金をきちんとお返ししたい」と釈明し、これまでに受給した保護費の一部を返す意向を示した。
 河本さんによると、母親は病気で働けなくなり、14〜15年くらい前に生活保護を受けるようになった。河本さんはその後、芸能人として有名になり収入も増えた。この5、6年間は援助しているが生活費の一部にとどまり、最近まで受給が続いていたといい、この期間の保護費を返すという。
 この問題を巡っては、野党議員がブログで「不正受給の疑いがある」と指摘。今月16日には所属会社のよしもとクリエイティブ・エージェンシーが「支給は河本が無名時代に開始されたもの。不正受給のそしりを受けるような違法行為は存在しない」との文書を発表していた。
 厚生労働省によると、生活保護の受給申請があった際、申請者の親族には生活援助が可能かどうかを確認する「扶養照会」が行われる。民法では、親子など血縁が近い親族は互いに扶養の義務を負うと規定されているが、照会を受けた親族が扶養を拒否することは可能で、この場合、申請者の生活が困窮し、保護が必要な差し迫った状況にあるかどうかで受給の可否が判断される。

追加です。庭の鉢植えの睡蓮が咲いているのを今日見つけました。

生活保護 受給者も不正も増加の一途 扶養義務調査に限界
産経新聞 5月26日(土)7時55分配信

母親の生活保護受給問題について会見で謝罪する次長課長河本準一さん=25日午前、東京都新宿区(高橋朋彦撮影)(写真:産経新聞


 ■収入あるのに「ない」最多

 人気お笑いコンビ「次長課長」の河本(こうもと)準一さん(37)の母親が今年4月まで受給していたことでクローズアップされた生活保護制度は、生活困窮者に対し、最低限度の生活を保障する“最後のセーフティーネット”といえる。高齢化や不況を背景に受給者数が過去最多を更新し続ける一方で、不正受給も増加の一途をたどっている。

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 厚生労働省によると、今年2月に全国で生活保護を受給した人は209万7401人。戦後の混乱の余波で過去最多だった昭和26年度の数字を昨年7月に上回って以降、8カ月連続で最多を更新している。平成24年度は生活保護費として約3兆7232億円が当初予算に計上された。

 不正受給も22年度までの5年間、増加し続けている。22年度は過去最悪の2万5355件、計約128億7426万円が不正に支給された。

 不正で最も多いのは収入がありながら「ない」と偽って申告するケース。今月18日には年収が1億円以上あるのに熊本市から生活保護を受けていた投資勧誘業の男が熊本地裁で懲役3年、執行猶予5年、罰金3千万円の判決を言い渡された。

 不正が絶えない背景には扶養義務を親族がどこまで負えるかについての判断や確認が難しいこともある。

 生活保護は原則として世帯単位で決定されるため、河本さんと別居する母親は、別世帯として判断される。民法では親族間の扶養義務が定められ、保護が申請されると、保護決定を行う自治体が親や子供など扶養義務者による仕送りの可否などの調査を実施する。

 ただ調査への回答は自己申告で、離れて住んでいる親族には文書で調査を行うことも多い。申請者親族の資産調査は可能だが、調査で照会を受ける親族らには法律上の回答義務はなく、銀行などに個別に確認するにはとても手が足りない。

 河本さんは会見で「収入が安定せず、いつ仕事がなくなってもおかしくない不安の中でやっていた」と説明し、自分の判断で母親への援助額を決め、その一方で生活保護を受けさせ続けていたと説明した。

 東京都のある自治体の担当者は「立派な家に住んでいる親族に『住宅ローンがあるから』『子供の教育にお金がかかる』と断られたこともあった」と話す。

 厚労省の担当者は「収入が不安定でも、その時点で扶養可能な収入があるのに扶養いただけない場合は、文書だけでなく職員が出向き状況を確認して相談する必要がある」としている。

                   
 ≪扶養意識が変化≫

 ■首都大学東京の岡部卓教授(社会福祉学)の話

 「近年は扶養意識が変化していて『積極的に助けよう』というケースも少ない。受給者自身が親族に知られたくないという意識もあるが、生活保護申請に至るまですでに親族と軋轢(あつれき)を抱えていることもあり、助けてもらえないことも多い。生活保護の担当職員の業務量は非常に多く、文書による調査以上は手が回らないのが実情だ」

 ≪モラルが低下≫

 ■放送プロデューサーのデーブ・スペクターさんの話

 「認識が甘かった、では通用しない。モラルが低下している。母親をネタにテレビ番組に出演したりして、収入アップにつながってきたのだから、余計に許し難い。仕事が不安と言っても、河本さんのように、売れて何年もたち、大手事務所に所属している場合は通用しない。いつリストラされるかわからないサラリーマンの方が不安だ。                  ◇

【用語解説】生活保護

 最低限度の生活を保障し自立を助ける制度。国が定める最低生活費に比べ収入が少ない世帯に差額分を支給する。食費や光熱費に充てられる「生活扶助」、家賃に当たる「住宅扶助」などがある。費用は国が4分の3、地方自治体が4分の1を負担するが、自治体、家族構成、年齢により保護を受けられる基準額は違う。例えば、東京23区に住む夫33歳、妻29歳、子供4歳の家族が保護を受けた場合、生活扶助は17万2170円。民間住宅を借りる場合は、さらに上限6万9800円の住宅扶助が出る。