今の季節に雪を生かした図工授業やアートをしようと思えばどこでもできそうですが、屋外での活動はそう簡単にできるものではありません。町や家の作り、学校の作りを見ると、主として夏向けの空間利用を意図しているもので、冬場に雪を楽しむような設定の例は座敷から雪を愛でる「雪見障子」くらいで少ないです。
一方、道路や家屋、屋根雪などの処理においては自然落下方式、熱風やな悦パネルによる融雪方式、エコ的な屋内空気を利用する自然融雪方式、地下数利用の消雪など雪を消滅、排除する目的のものは色々とあります。
何れにしても、雪の図工やアートはこれまでになじみの無い思考を逆転的に使って何かを生み出そうとするものであることは確かです。
キナーレの場合、回廊に囲まれてかなり広い正方形のグランドがあり、それ自体「雪のスタジアム」に近似した構造を持っており、ギャラリー施設付きの雪の図工や雪アートを展開するステージとしておあつらえ向きの施設です。
前回の提案に加味して、雪の図工教室に向けての活動、イベントの構想をまとめた提案です。
「キナーレ広場で雪遊び雪アート」構想(案)
2013.01.21 堀川紀夫
12月から3月までの雪の季節にキナーレの中央広場で実施する各種の活動構想。
(基本戦略として、各地の雪祭りに見るような大型の雪像彫刻的な作品はつくらない。)
一カ所に雪見台を設置する。(雪のスタジアムの小型版の座席をつくる)
基本的な考え(コンセプト)
雪が降ったらキナーレの雪の広場で雪遊び。児童を主な対象に親子で参加してもらう。土日ごとに雪ワークショップ活動を展開する。雪の形を変える雪遊びがアートとなる。アートを遊ぶ。アートで遊ぶ。ヒューマンサイズの雪遊び。手づくり遊び。昔からの遊び。新しく提案された雪遊び。エコな雪アート。
雪が降ったらそこで雪遊び、雪アートする。次の雪でも、同じような形で遊び、作品をつくり続けて行く。
活動の過程を記録していく。大きい作品は雪見台から過程と結果を記録する。
活動:題材:イベント例
あしあとあーと「雪道付け」プロジェクト「足型足形アート」一本道の自由な形
新雪が降ったら、雪に足を踏み入れ、足だけで道を付け、足跡だけで描きたい形を描く。
ゆきみちあそび 「雪道じゃんけん」プロジェクト
雪道を付けて、その道を使ってじゃんけん遊びなど。ルールをつくって遊ぶ雪遊び。
ゆきしゅうじ「雪に書く」プロジェクト
雪を足とスコップで平らにして、そこに思い思いのことばを棒で引っ掻いて書く。
墨や絵具の色を用いて書く。
バーナーで雪を溶かしつつ描く.書く。(かなり危険。夜は炎が見える。ある程度はできる)
ゆきすたんぷ「雪に手形、形押し」プロジェクト
雪に手形を付ける。道具で形押しするなどでレリーフ的な作品をつくる。
雪に身体を投げ出してボディスタンプ。その凹の人形であらわす。
ゆきだまもよう「キナーレ模様」プロジェクト
雪玉を沢山つくって、回廊のフロアに並べて形の白と地の黒で模様をつくる。沢山のパターンをつくる。
ゆきだまかざり 例えば「雪ネックレス」プロジェクト 雪玉をつくって紐を通してネックレスをつくる。
雪玉雪だるま(小さな雪だるま)回廊等に飾る。(片付けなくても良い)
ゆきにかざる「雪に飾る」プロジェクト 雪の白をバックに花を生け、布やオブジェを配置する。いろをかざる かたちをかざる オブジェをかざる
はなや枝、竹などをかざる ゆきにいけばな ゆきインスタレーション
ゆきだるまこんくーる 親子を対象に実施(参加費を取り、何らかの商品を渡す)
ゆきだるまちょうこく
おおきなゆきだるまをつくって、それを大小のスコップでカービングしたり、モデリングしたりして立体作品をつくる。キューブだるま(四角だるま)
ゆきのいえあかり 小さなカマクラをつくって灯りを点す
ゆきかべギャラリー
雪壁のあるスノーホワイトボックスの構造物をつくって一日だけの美術館に見立て美術作品、造形物を飾る。フロアには立体作品。
ゆきグラフィティ ゆきにえをかく「雪に抽象画」「雪に色付け」プロジェクト
ゆきにイラストプロジェクト 食料色素で絵やイラストを描く。(絵具は施設を汚す)
雪がものの上に降り積もる性質を利用する作品
例えば「雪帽子」プロジェクトをキナーレ広場の中心に設置する。
雪見茶室(東屋)4畳半程度のホワイトボックスを広場の中央に設置する。屋根雪はそのまま雪帽子アートになるようにデザインを考える。茶屋までの雪道を付け、土日には茶会を開催する。雪の運動会の時はその回りにトラックのようなコースを付ける。茶屋は本部席として使用する。
山ぞりパレード
十日町の雪祭りの時に「山ぞり祭り」を開催。「山ぞり」に夫婦やカップルを乗せて広場のサークルでパレードを演出する。回廊には出店を招致し祭りの場を演出する。松代の山ぞり隊との連携等。新しいコミュニティ行事をつくり出す。