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アートの話題

秋分の日の前後、変身する「マカロニ星人」
読売新聞 9月21日(土)19時4分配信


太陽の橋に立つ「宇宙七曜星の精」の像(北九州市小倉北区で)=中司雅信撮影

 白い体に、円柱が斜めに置かれたような頭部。北九州市小倉北区の市役所近くにあり、そのユニークな姿から「マカロニ星人」と呼ばれる独創的なオブジェが、2月で市制50年となった今年、観光客らの間で話題を呼んでいる。

 秋分の日の前後、ある時間帯になると、北九州市をPRする粋な仕掛けが隠されているためだ。

 オブジェはアルミ製で高さ1メートル45。「宇宙七曜星の精」が正式名称で、7体が一列に並ぶ。1970年の大阪万博公式ポスターを手掛けたグラフィックデザイナーの福田繁雄さん(1932〜2009年)が制作した。市街地を流れる紫川と周辺を整備する事業の一環で、92年に「太陽の橋」の歩道に完成した。

 太陽の橋にちなみ、市が福田さんに制作を依頼した際、「太陽をモチーフに」と注文。当時、オブジェ制作の担当課にいた現・市下水道整備課長の堤清さん(54)は、その斬新な姿を都内にあった福田さんのアトリエで初めて見た時、「思わず『えっ』と声が出そうになった」と振り返る。

 福田さんは当初、オブジェに「太陽の精」と名付け、12か月を示す12体を制作する予定だった。ところが予算に限りがあり、7体になったという。

 福田さんは、トリックアートの第一人者でもあり、緻密な計算を基にオブジェを設計。秋分の日と春分の日の前後、ある時間帯になると、頭部の影が、市花のヒマワリの形になるという。観光客らがオブジェの写真を撮り、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)で「アートな街」などと紹介され、改めて注目されている。

 福岡管区気象台によると、秋分の日の23日、県内の天気予報は「晴れ時々曇り」。秋晴れの下、七つのヒマワリが路上に花を咲かせそうだ。(浦郷明生)

最終更新:9月21日(土)19時4分