世界一大きな女子トイレの話題
現代アートの一大聖地に 市原に世界一大きな女子トイレ誕生
産経2012.4.6 16:21 (1/2ページ)
小湊鐵道飯給駅前に作られた、約200平方メートルの敷地内に佇む、開放感あふれる全面ガラス張りの女子トイレ。入っているのは設計者の藤本荘介さん=6日、市原市飯給(三宅令撮影)
市原市飯給の小湊鉄道飯給駅前に6日、世界一大きな女子トイレが完成した。高さ2メートルの杉壁で囲った約200平方メートルの敷地内に、全面ガラス張りの個室がぽつんと1つ。市原市は、このトイレを「現代アートの一大聖地に」と意気込んでいる。
同駅は、1時間に約1本という典型的なローカル駅だ。春には菜の花や桜が咲き乱れ、訪れるカメラマンが年々増えているという。昨年出版された「小暮写眞館」(宮部みゆき作)の表紙の風景としても話題を呼んだ。
「でも、トイレは汚かった」と市原市の三橋さゆり副市長。同駅周辺にはこれまで、入るのに勇気が必要なほど古ぼけた公衆トイレしかなかった。そこで、同市の女性職員で構成する委員会が発足。「きれいなトイレでおもてなし」をモットーに、トイレ作りに取り組んだ。
一方で、同市は現代アートで町おこしを図ろうと昨年11、12月にイベント「アート漫遊いちはら」を開催。市制50周年を迎える平成25年には、南市原アートフェスティバルも計画している。
そこで「どうせなら、芸術祭の起爆剤になるようなインパクトのあるトイレを」と三橋副市長。「台湾タワー」コンペで優勝するなど国際的に活躍する建築士、藤本荘介氏に設計を依頼し、総事業費987万円で建設した。
藤本氏は「自然の豊かなここにしかないトイレ」をイメージして設計。ガラス張りの開放的なつくりにして周囲の環境を存分に味わえるようにした。今後、敷地内には菜の花やシロツメクサを植える予定だという。
市内から写真を撮りに訪れた金子光子さん(60)は、トイレをみて「1度は入ってみなくてはと思ったけど、なんか恥ずかしい感じ」。やっぱり入るのに勇気が必要なようだ。