現在84歳である現代美術家舟見倹二さんの出品作品を紹介する。この度の作品はまさに本物のアートである。そして貴重な歴史的証言の作品である。
全体像では正方形の抽象絵画と円、アジサイなどのドライフラワーに着色したもののアレンジである。
しかし、その口上や作品のディテールを見るとすごい。下部の黒い円は昭和10年代のレコードで6枚ある。それに蓄音機。レコードの題名を明記しておく。画像の左から右への順に記す。愛国歌 銃後熱血譜、陸軍省推薦歌 出征兵士を送る歌、軍歌 亜細亜行進曲、流行歌 九段の桜歌、奉祝歌 宮さまご誕生の歌（現天皇）、奉祝国民歌 紀元二千六百年（蓄音機に配されているレコード）
舟見さん宅で、これらのレコードが保存されてきたのである。そのレコードに新たな意味を与えた舟見さんに敬意を表し、また、この作品を受賞作品に選んだ審査員にも敬意を表したい。（改めて言うまでもないことですが、わが国でこのようなレコードが二度と流されることのないように。）
