Art Site Horikawa-I

書くことを積み上げ、アート生成に向けての発想・構想力を鍛える。

原発関連ニュース(6月22日)

福島第1原発:汚染水、新移送先を検討 月内あふれる恐れ
毎日新聞 2011年6月22日 1時36分
 東京電力は21日、福島第1原発の高濃度放射性汚染水浄化システムで、浄化処理が滞った場合や梅雨入りなどによる汚染水の増加に備え、新たな移送先の検討を始めたことを明らかにした。またこの日、仏社製の除染装置のポンプが停止したため、一時中止後に試験運転を再開した同システムは、2、3日後の本格運転を目指すという。

 同システムは、17日に本格運転を開始後、米社製装置の不具合で停止するなど不安定な状態が続いている。敷地内には汚染水が推定10万立方メートル超あるとされ、21日には梅雨入りするなど、放置すれば6月中にもあふれる恐れがある。このため、東電は低濃度の汚染水をためるために設置を続けているタンクの安全性を検討し、高濃度の汚染水を移送する検討を始めた。

 同日会見した松本純原子力・立地本部長代理は「環境中に汚染水を放出することはできず、あらゆる手段を講じたい」と強調。細野豪志首相補佐官も「低濃度用のタンクは相当数ある。ご心配をかけて申し訳ないが、対策を政府も後押しする」と述べた。【杉埜水脈、関東晋慈】
IAEA宣言 原発安全に福島の教訓生かせ
(6月22日付・読売社説)
 世界の原子力の安全性向上に、「フクシマ」の教訓を生かす第一歩とすべきだ。

 ウィーンで開かれている国際原子力機関IAEA)の閣僚級会議で、IAEAの機能強化を柱とする閣僚宣言が採択された。

 東京電力福島第一原子力発電所の事故を受け、宣言は、安全対策を検証する必要性を指摘した。

 国際社会の取り組みについて、原発の安全基準の見直しや、IAEAが専門家を派遣して各国の原発の安全性を評価する新たな制度の導入を提案した。

 事故時には、迅速で継続的な情報提供が重要としたうえで、緊急対処能力や訓練を強化していくべきだとも強調した。

 原発事故への不安は、世界各地に広がっている。IAEA原発の監視や、安全対策の強化に乗り出すのは当然のことだろう。

 日本政府は、IAEAに全面的に協力しなければならない。国際的な原子力技術の向上に貢献する責任も重い。

 世界では原発75基が建設中で、さらに91基の新設計画がある。中国やインドなど原発推進新興国に続いて、中東やアジアの途上国も新規導入を計画している。

 しかし、原発に関する共通の安全基準は確立していない。安全性を高めるとコストがかさむため、原発利用を本格化したい新興国では、規制強化への反発が強い。

 IAEAは「核の番人」と言われるが、安全対策を国際的に徹底させるのは容易でない。

 国際協調の重要性は一段と増している。事故時の国際救援体制の整備や、途上国に対する原子力技術の支援なども求められる。原発を推進してきた日本は、主導的な役割を果たさねばならない。

 海江田経済産業相IAEAの閣僚級会議で演説し、福島原発事故の経緯と収束への対応を説明した。日本の他の原発では緊急安全対策を2度実施し、運転に安全上の支障はないと強調した。

 日本の取り組みに一定の理解が得られたとしても、事故を収束させねば、信頼回復は難しい。

 国内では、定期検査で停止した原発の運転再開が急務になっている。電力不足が、経済成長とこれから本格化する復興の足を引っ張ってはならない。

 政府は事故対応と安全性向上について理解を得る努力を、国内外で粘り強く続ける必要がある。

(2011年6月22日01時29分 読売新聞)

飯舘村、役場移転ほぼ終える 早く戻れるようにと村長
福島民報 2011/06/21 19:46
 福島第1原発事故で計画的避難区域に指定され、全村避難が進む福島県飯舘村は21日、役場機能移転に伴う引っ越し作業をほぼ終えた。22日に移転先の福島市役所飯野支所(同市飯野町)で、「飯舘村役場飯野出張所」の開所式を行う。

 菅野典雄村長は「なぜこんなことになったのか、原発が憎らしくて仕方ないが、これが現実。憤りも愚痴もいっぱいあるが、こうなった以上、前を向いて一日でも早く戻れるようにしたい」と話した。

 また菅野村長は「村民に希望を持ってもらうため」として、22日の開所式後に村に復帰するまでの見通しを公表する考えを示した。