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原発関連ニュース(6月23日)

福島第一の汚染処理、能力出ず 本格稼働、見通したたず
asahi.dom 2011年6月23日0時32分
東京電力は22日、福島第一原子力発電所の汚染水浄化処理施設の放射能除去が思うようにできていないと発表した。想定では放射能を最大で100万分の1程度に減らす能力があるはずだが、2万分の1程度にしか減らせていないという。東電は数日以内に処理施設の本格稼働を目指していたが、時間がかかりそうだ。

 東電は、処理施設の能力は施設全体で1万分の1〜100万分の1程度に汚染を減らす能力があると想定。今回の試験では、下限ぎりぎりの2万分の1程度にしか減らせなかった。

 調査によると、米キュリオン社の放射性物質セシウムを吸着する装置で本来なら1千分の1程度まで放射能濃度を減らせるはずが、50分の1程度にしか減らせなかった。東電原子力・立地本部の松本純一本部長代理は「あと数日で本格稼働に移れると思っていたが、現段階ではいつ稼働するとは言えない」と話した。高濃度汚染水を浄化する試験は今後も継続するという。(坪谷英紀)
米社装置の汚染水処理、目標のわずか20分の1
(2011年6月23日00時22分 読売新聞)

 東京電力は22日、試運転中の福島第一原子力発電所の汚染水処理システムで、米キュリオン社製の装置の処理能力が、当初目標の20分の1程度にとどまっていると発表した。処理が追いつかず、循環冷却に使う汚染水の再利用ができなくなり、水があふれ出す恐れがある。東電は、汚染水をためている施設の許容量を1500トン増やす方針だが、今後の降雨量によっては、11日間程度と見られる満杯までの余裕が、さらに短くなる可能性もある。

 東電によると、キュリオン社の装置は、真水の低濃度汚染水を処理すると、目標の約1000分の1以下まで濃度を下げることができたが、海水混じりの高濃度汚染水だと50分の1程度に下げるのがやっとだった。

 汚染水処理システムは、キュリオン社の装置、仏アレバ社の装置に塩分除去装置を組み合わせて、放射性物質と塩分を除く。汚染水の再利用には塩分除去が不可欠だが、除去装置が正常に稼働するには、放射性物質の濃度を1万分の1以下にする必要がある。アレバ社の装置の能力も400分の1程度と言われ、2社の装置を合わせても安定的に処理できるかどうかは不明。


2号機に6メートルたまり水 建屋地下、最大430ミリシーベルト 原子炉損傷の影響か
MSN産経ニュース 2011.6.22 13:05
 東京電力は22日、福島第1原発2号機の原子炉建屋地下に約6・1メートルの水がたまっていることを確認したと発表した。付近では最大で毎時430ミリシーベルト放射線量が計測され、「原子炉損傷の影響を受けた汚染水の可能性がある」としている。

 東電は同日、建屋1階に原子炉の圧力計を仮設する計画だが、たまり水の影響はないとしている。

 測定は、21日午後に作業員10人が建屋内に入って実施。1階にあり計器類が置かれている「計装ラック」周辺の放射線量も毎時24〜42ミリシーベルトで、圧力計を設置する際は作業エリアの遮蔽措置を取る。カメラも取り付け、外部のモニターで確認できるようにする。

 2号機は外部につながる二重扉を20日に開放し、温度や湿度の環境改善を進めていた。

原発再稼働、東海村長が反発 「福島の事故究明が先」 茨城
MSN産経ニュース 2011.6.23 02:23
 海江田万里経済産業相が18日に「原発再稼働」を記者会見で発表したことに対し、原発を抱える県内の首長から反発の声が相次いでいる。地方の現状を無視した震災対応が続くとして菅直人政権に対し、自治体側のいらだちや不満は頂点に。日本原子力発電の東海第2発電所東海村白方)は今回の再稼働の対象には含まれていないが、東海村の村上達也村長は今後の対応に厳しい姿勢を示す。

 「住民の命がかかっている。福島第1原発事故の原因究明もなしに、軽々しく再稼働と言ってほしくない」。村上村長は22日の記者会見で声を荒らげた。

 原子力安全・保安院などが行った原発の立ち入り調査が、原発再稼働への「表面的、形式的な調査」としか思えないという。

 村上村長は、福島第1原発事故を踏まえた安全対策がない段階で、「安全を確認した」として原発再稼働にゴーサインを出した政府の姿勢に「現状把握ができていない。こんな国で原発を持つべきではない」と反発を強めた。

 東海第2原発は11月まで定期検査中。今回、海江田経産相が示した「再稼働」の対象には入っていない。地震で停止したため地震の影響を確認する必要があるという。だが、発表段階では県には、対象外であることは伝えられていなかった。海江田経産相会見後、国の関係機関に確認したところ、20日深夜、資源エネルギー庁が回答してきた。

 個別に説明がなかった点は橋本昌知事も指摘。21日の記者会見で「(海江田経産相が)会見で一般論として語り、地方に説明がない。それはおかしい」と述べた。

 また、橋本知事は「なぜ浜岡原発静岡県御前崎市)だけ停止したのかなど、原発立地県として疑問をぶつけてきたが、まだ答えがない。納得できない」と政府の対応を批判。福島第1原発事故を踏まえた安全指針が示されない限り、県の防災計画の見直しもできないと不満を漏らした。

IAEA原発事故評価見直しへ 「レベル8」新設も
毎日新聞 2011年6月22日 11時33分(最終更新 6月22日 12時23分)
 【ウィーン樋口直樹】東京電力福島第1原発事故を受け、国際原子力機関IAEA、本部ウィーン)は原発事故の深刻さを示す国際評価尺度(INES)の見直しに着手する。現行の0から7までの8段階を細分化するなどして、事故による環境や健康への影響度をより実態にあった形で評価する考えだ。「レベル8」以上の新設や従来の「レベル7」までをさらに細かく分類する可能性がある。

 IAEA天野之弥事務局長は20日の閣僚級会議で「INESは重要な情報手段だ。しかし、福島第1原発事故については、INESの評価は役に立たないことが判明した」と述べ、INESの諮問委員会に尺度の改善を要請することを明らかにした。

 福島事故は今年4月、史上最悪とされているチェルノブイリ原発事故(86年)と同じ「レベル7」に引き上げられたが、天野氏は事故の構造も周辺への影響度もチェルノブイリ事故に遠く及ばないとの見解を示してきた。評価尺度の細分化で両事故の深刻さの違いを明確にする狙いがありそうだ。

 INESはレベル7の評価要件の一つとして「放射性物質ヨウ素131等価で数万テラベクレル以上の放射性物質の外部放出」を挙げている。福島原発の放出量はこれに該当するが、チェルノブイリ事故放出量の10分の1程度とされている。
もんじゅ炉内に落下した装置、回収へ 過去2回失敗
asahi.com 2011年6月23日12時40分


クレーンを使って原子炉容器に落下した装置の撤去に取りかかる作業員=23日午前8時54分、福井県敦賀市の高速増殖原型炉「もんじゅ」、日本原子力研究開発機構提供

引き抜き作業のイメージ
 日本原子力研究開発機構は23日午前、高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)の原子炉容器に約10カ月間落下したままだった重さ約3.3トンの装置を撤去する作業を始めた。もんじゅは日本の核燃料サイクルの研究開発のために作られた。機構はこれまでに回収を2度試みたが失敗しており、今回の作業の行方は実用化計画に影響する可能性もある。

 燃やした以上のプルトニウムが生成するとされるもんじゅは、1995年のナトリウム漏れ事故で停止し、昨年5月、14年5カ月ぶりに再起動した。しかし同8月26日、核燃料のプルトニウムを装着する際に使う「炉内中継装置」(長さ約12メートル、直径46センチ)が炉内に落下。10月に作業を2回したが抜けず、落下の衝撃で装置が変形している。

 23日午前7時45分ごろから、作業員約20人が、装置の引き抜きに使う専用容器「簡易キャスク」(直径1.4メートル、最大長16メートル)の最終調整を始めた。

記事「もんじゅ炉内に落下した装置、回収へ 過去2回失敗」より