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桜の話題(コピペ)

御室の八重桜、9割が一重に変異? 京都・仁和寺
京都新聞 4月15日(火)8時59分配信

御室桜の多くを占める一重咲き(京都市右京区仁和寺
 京都市右京区仁和寺で、遅咲きの八重桜で知られる「御室桜」の9割以上の木々が実際は一重であることが、住友林業筑波研究所(茨城県)の調査で分かった。江戸時代からの古木が長い年月をかけて、桜の本来の姿である一重に「先祖返り」したらしい。
 御室桜は「御室有明」という品種で、樹齢は360年以上。境内の西側一帯は国の名勝に指定されている。江戸時代に貝原益軒が「京城勝覧」で「境内の奥に八重桜多し、洛中洛外にて第一とす」と記すなど、古くから八重桜の名所として知られていた。昭和初期の香山益彦著の研究書「御室の桜」にも、八重が多数を占めるとの記述がある。
 しかし、住友林業筑波研究所が7年前から寺などと共同で行っている御室桜の保存に向けた研究で調査したところ、212本のうち、八重はわずか18本しか残っておらず、大半は一重だったことが判明した。
 御室桜は粘土質の土壌の影響などで樹高は2〜3メートルしかなく、「ひこばえ」と呼ばれる樹木の根元から伸びる若芽が枝となり、やがて枯れては別の枝が伸びるという世代交代を繰り返している。同研究所では、こうした御室桜に特有の生命サイクルによって、過去の品種改良で編み出された八重の性質が失われ、桜本来の一重に戻る突然変異が起きたとみている。
 一方で、数少なくなった八重の木を元に培養したクローン苗1本を2年前に名勝指定地内に定植。先頃、初めて花を咲かせた。寺では名勝指定地外の境内に植えた10本のクローン苗とともに、昔ながらの御室桜を大切に守り続ける意向だ。
 仁和寺の立部祐道門跡は「御室桜は枝が大きくなると枯れてゆく特性があるが、それもまた花の姿の一つ。桜から学んでいこうという気持ちがあるので、御室桜を新しい苗に植え替えることはしない」としつつ、クローン苗の開花を「少子化の世で子が生まれるように、この上ない喜び」と話していた。

最終更新:4月15日(火)15時39分