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収束への長い道

無人機の撮影などで壊滅状態の原発建屋内の様子が報道されました。爆発を起こした最初の頃は「放射能漏れを起こしている」と報道の中で明確に言及する例は見られなかったのですが、最近はあたりまえのように使い始めています。水蒸気が途切れること無く立ち昇っている訳ですから放射能物質が飛散し続けているわけです。東電から収束への工程表が示されましたが、冷却への大ざっぱな目安みたいなもので歯切れの悪いものです。途中に状況が悪化する可能性もあるわけです。4つの原発廃炉にするまでの長い旅への段取りの一歩がようやく示されたということでしょうか。復興、復帰への見通しが全く立たない三重苦,四重苦の原発避難民の皆様の怒りを思うと言葉がありません。

原子炉冷温停止まで6〜9カ月 東電が見通し

2011年4月17日20時56分(asahi.com
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事故収束への道筋について会見する東京電力勝俣恒久会長(右)と武藤栄副社長=17日午後4時、東京都千代田区内幸町1丁目、河合博司撮影

事故収束の道筋についての会見を終えて頭を下げる東京電力勝俣恒久会長(中央)。左は武藤栄副社長=17日午後4時29分、東京都千代田区内幸町1丁目、河合博司撮影

工程表の主な内容
 深刻な放射能漏れを起こしている福島第一原子力発電所について、東京電力は17日、事故収束への工程表を示し、原子炉を安全な状態で停止するのに6〜9カ月かかる、との見通しを明らかにした。東電が事故の収束の見通しを示したのは初めて。また工程表の中で、2号機の格納容器の破損や、4号機の燃料プールを支える建屋の壁の損傷による強度不足などを認め、対策を講じる方針を示した。

 工程表によると、第1段階(ステップ1)で、確実に原子炉を冷却し、放射性物質の放出を減少に向かわせるのに3カ月程度かかる、とした。第2段階(ステップ2)では、原子炉を100度未満の安定状態に保つ「冷温停止」にし、放射性物質の漏出を大幅に抑えるのに3〜6カ月程度かかる、との目標を示した。

 原子炉や建屋などの現状も明らかになった。1〜3号機の原子炉は、異常な温度上昇を起こさない程度にしか冷やせておらず、再び水素爆発する危険性が消えていない。2号機は格納容器が損傷、高濃度の放射能汚染水を漏出している、とした。大気中に放射性物質を放出している4号機の使用済み燃料プールは、爆発や地震で強度が十分に保たれていないとの認識を示した。

 この実態をふまえ、ステップ1では水素爆発を起こさせないため、原子炉格納容器に窒素注入を続け、さらに格納容器内を水で満たして安定的に冷やす。2号機は格納容器の破損部分の周囲をセメントで固めて漏れないようにする。ステップ2では水を循環させて原子炉を冷やす装置を稼働させ、100度未満の冷温停止状態の保持をめざす。

 4号機の燃料プールは、ステップ1で底の空間部分にコンクリート製の支柱を造る。ステップ2では、放水車で水を入れつつ、水を循環させる冷却装置を復旧させる。中期的な課題として、燃料を取り出して保管することも盛り込んだ。

 大気や海への放射性物質の漏出対策は、ステップ1で高濃度の放射能汚染水をためるタンクなどを確保。ステップ2で、原子炉建屋をテント状のシートで覆う計画を示した。中期的には、原子炉建屋の周囲にコンクリートの建物を造るという。住民にわかりやすく迅速に放射線量を知らせるシステムも拡充する。

 勝俣恒久会長は「計画は100%できるというものではない。とにかく事態を収束させるためにやれることから行い、原子炉の冷却を達成したい」と話した。(坪谷英紀)