Art Site Horikawa-I

書くことを積み上げ、アート生成に向けての発想・構想力を鍛える。

氷を素材とした作品の考察

大学に入って、1965年頃から美術雑誌を買い求めるようになった。1964年の東京オリンピック後の世界は成長変化していた。主にアメリカを発信源とする新しい美術の動向が続々と紹介された。
長岡現代美術館が開館した。東京へ行かなくても、ウォーホルやローゼンクイストの最新作が見れた。
また、美術手帳などで名前の出た新進気鋭の美術評論家や「アンフォルメル以後」というタイトルの特集号に取り上げられていたスター作家に直接触れる機会もあった。もっと沢山の要因があって、現代美術に足を踏み出す事になって行く。展覧会としては毎年5月に開催された毎日現代美術展と日本国際美術展。それと長岡現代美術館賞展等を見て、正に刺激を受けた。
1967年10月に新潟現代美術家集団GUNの結成に加わり、言わば見よう見まねの独学的現代美術の追究が始まった。1968年4月に公立学校教員になる。
最近、1969年7月号の「新しい自然(2)アースワーク」特集記事の中にアラン・カプローの「FLUDIS」流動体(1967)を見付けた。

この美術手帳が発行された一月前頃に毎日現代美術展で見た静岡の前田守一さんの氷を使った「Rheology」という作品の氷の入れ物の抜け殻、残骸的作品を見た記憶が思い出された。その作品と同類の氷作品の写真が、芸術生活7月号(1969)の批評家の眼:石子順造誌上ギャラリーに取り上げられていた。この2つの氷作品に関係があるのだろうか。前田さんの作品は当時の流行・動向に乗じた思いつきみたいなもので比べ物にならない事ですが。タイトルの意味 Rheology;レオロジー(物質の変形や流動に関する学問)