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大震災関連(原発事故:毎日新聞)

1.<福島第1原発>敷地内の汚染地図公表
毎日新聞 4月24日(日)21時0分配信

福島第1原発の主な地点の放射線量※数字はミリシーベルト/時。東電のデータから、4月23日午後5時20分現在
 東京電力は24日、福島第1原発1〜4号機の建屋周辺約150地点の1時間当たりの放射線量を記録した汚染度マップ(23日午後5時20分現在)を公表した。作業員の限度以上の被ばくを防ぐため、3月22日から作製。空間の放射線量では、2号機原子炉建屋西側のがれきが散らかっていた場所が70ミリシーベルトと最大だった。

 空間放射線量は原子炉建屋付近が比較的高く、1号機10〜40ミリシーベルト▽2号機3〜70ミリシーベルト▽3号機3〜60ミリシーベルト▽4号機0.4〜1.1ミリシーベルト。タービン建屋付近は3号機付近が3.5〜20ミリシーベルトだったが、ほかでは数ミリシーベルトだった。

 1号機と3号機の原子炉建屋付近では数カ所でがれきの線量も測定。20日に3号機付近で見つかった900ミリシーベルトが最大で、その近くに300ミリシーベルトのがれきもあった。2号機のトレンチ(トンネル)にある高濃度の放射性物質を含む汚染水を集中廃棄物処理施設(集中環境施設)へ移送する配管の表面は、75〜160ミリシーベルトだった。

 東電は「現在の線量が作業の工程を大きく左右するものではない」と話している。【奥山智己】

2.福島第1原発:20キロ圏の家畜殺処分へ 飼い主了解得て

 福島県は24日、東京電力福島第1原発の半径20キロに指定された「警戒区域」で、25日から衰弱して瀕死(ひんし)の状態の家畜を薬で安楽死させることを決めた。立ち入り禁止区域のため飼い主がおらず、死骸が放置されると衛生上問題があるため、殺処分した後、消石灰で消毒し、シートで覆う。

 警戒区域には畜産農家が376戸あり、原発事故前に▽牛4000頭▽豚3万頭▽ニワトリ63万羽▽馬100頭−−が飼育されていたが、多数が死んでいるとみられる。

 家畜伝染病予防法では、原子力災害時の殺処分は規定がなく強制的にできないため、飼い主の了解を得て実施する。既に死んでいる家畜も消毒する。しかし、埋却など死骸の処理方法は決まっていない。

 一方、柵が壊れたり、飼い主が避難前に逃がしたりして野放しの家畜は元気なら畜舎に戻す。餌や水のやり方は今後検討する。

 作業には県職員と獣医師らであたり、1日の被ばく量上限の目安を50マイクロシーベルトと定めた。放射線量の高い大熊、双葉、浪江3町への立ち入りは当面見送り、作業方法をさらに検討する。【種市房子】
3.福島第1原発放射性物質放出 毎日154テラベクレル

 国際評価でレベル7という最悪の原発事故が、四半世紀を経て東京電力福島第1原発でも発生した。

 「予断を許さないという点で、チェルノブイリより深刻だ」と笠井篤・元日本原子力研究所室長は指摘する。

 チェルノブイリ原発事故で放出された放射性物質は520万テラベクレル(テラは1兆倍)と推定されている。爆発で一気に放出された分、発生から約10日間でほぼ止まった。これに対し、福島第1原発事故では37万〜63万テラベクレルとチェルノブイリ原発事故の約1割で、経済産業省原子力安全・保安院は「大半は原子炉内に閉じ込められている」としている。しかし、内閣府原子力安全委員会によると、事故から約1カ月後の今月5日時点で1日当たり154テラベクレルが放出されている。今も本来の冷却システムが復旧しておらず、余震による影響や水素爆発が懸念され、新たな大量放出も起こりかねない。

 事故処理にも違いがある。チェルノブイリ原発はコンクリートで建屋を覆う「石棺」で放射性物質の拡散を防いだが、福島第1原発は1、3号機で格納容器全体を水で満たす「水棺」の検討が進む。東電は、原子炉の安全な状態である「冷温停止状態」まで最短6〜9カ月かかるとしているが、見通しは立っていない。

 福島第1原発では、がん発症率が0.5%増えるとされる100ミリシーベルトを上回る放射線を浴びた作業員は23日現在、30人に上る。被害の実態はまだ把握できないが、松本義久・東京工業大准教授(放射線生物学)は「チェルノブイリ原発事故では各国の研究機関が綿密な健康調査をした。日本政府は、住民や作業員の心身両面の健康状態を追跡する態勢を早急に確立すべきだ」と訴える。【中西拓司】